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素読のすすめ

令和2年2月1日
素読のすすめ 四字熟語から名詩名文を訪ねる
第61回 『流言飛語』りゅうげんひご

根拠のないのに言いふらされるうわさ。デマ。
「流言」も「飛語」も同じ意味、どこからともなく流れ飛んでくる言葉の意。「飛語」は()語」とも書く(蜚も飛ぶの意)。
「流言」は『書経』に「管叔(かんしゅく)及び其の群弟、国に流言す」と見える。周の初め武王の没後、管叔(武王の弟)たちが周公の悪口を言いふらし(周公は成王の後見を武王から託されていた)後嗣(あとつぎ)(せい)王を惑わそうとしたこと。つまり、根も葉もないうわさを撒きちらし、幼い成王をたぶらかそうとしたのである。
「蜚語」は「史記」に見える。同じく悪口を言いふらす意に同いている。

楽しい素読

  九月十日(くがつとおか) 菅原道真(すがわらのみちざね)

去年(きょねん)今夜(こんや) 清涼(せいりょう)()
秋思(しゅうし)詩篇(しへん) (ひと)断腸(だんちょう)
恩賜(おんし)御衣(ぎょい) 今此(いまここ)()
捧持(ほうじ)して毎日(まいにち) 余香(よこう)(はい)

鑑賞
去年の今夜は宮中の清涼殿で(みかど)のおそばに侍していた。
「秋思」という題の詩を作ったのだが、私の詩はとても悲しみに満ちたものとなった。
その時、ご褒美としていただいた帝の御衣は都を遠く離れた今もここにある。
毎日それを(ささ)げ持っては、残り香を拝しつつ帝をなつかしく思い起すのである。

菅原道真
平安前期の学者、延臣(845~903)宇多(うだ)醍醐(だいご)天皇に仕えた。藤原氏に対抗して文章博士(もんじょうはかせ)から右大臣に登用されたが、藤原時平の讒言(ざんげん)にあい、大宰権帥(だざいのごんのそつ)に左遷された。その霊は天神様として祭られ、学問の神とされている。